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【科学ニュース】新種はわずか2世代で出現、フィンチの研究から

ガラパゴス諸島のフィンチ(鳥類)の個体群が、新種の形成という注目すべき過程にあることが捉えられた。

チャールズ・ダーウィンは自身の進化論を、地球上でも数少ない壮観な進化の現場であるガラパゴス諸島で固めていった。以降、あとに続く研究者も同諸島への注目を続け、驚くべき結果を生んだ研究も少なくない。

例えば1981年、ローズマリー・グラント(Rosemary Grant)教授とピーター・グラント(Peter Grant)教授の夫妻は、ある島に非在来種であるオオサボテンフィンチ(Geospiza conirostris)のオスが1羽やって来たのに気がついた。このオスは在来種(Geospiza fortis)のメスとつがい、健康で多産の子孫を産んだ。その子孫たちは、繁殖を続けた。この島では現在、新しい種に属する個体が30羽観察されている。

孤立した新種の成長の研究は注目に値するが、それ自体は“壮観”と言えるほどではない。ではなにが壮観だったかというと、新しい種がいかに早く出現できたかである。

「この研究で目新しいのは、野生下での新種の出現を追跡できる点だ」と、プリンストン大学生態学・進化生物学科の名誉上級研究員ローズマリー・グラント氏は述べる。「大ダフネ島での研究を通して、われわれは種の異なる2羽の鳥が番(つがい)となるのを観察し、そのあとに起きることを追跡して、種の形成がどのように生じるのかを見届けることができた」。

現在の研究では、ウプサラ大学の研究者らがこれらの鳥とその子孫から集めたDNAを解析した結果、新しい種がわずか2世代で出現することがわかった。これは、新しい交配種や亜種ではなく、れっきとした別々の種である。研究チームは、これを「ビッグバード系統(Big Bird lineage)」と呼んでいる。

このような新しい系統は何度も現れ、継続する場合と消滅する場合があると考えられる。今回のフィンチの新しい世代が将来どうなっているかは明らかでないが、いつか全く異なる種になっているかもしれない。

「ビッグバード系統の長期的な存続については特に示唆は見えないが、種として成功する可能性はあり、種の形成が起きる形の見事な例となっている」と、共著者でウプサラ大学医学生化学・微生物学科のレイフ・アンデルソン(Leif Andersson)氏は述べる。「この論文を読めば、チャールズ・ダーウィンも興奮してくれるだろう」。

論文は、Science誌に発表された。

【情報ソース・関連情報】

Science - Rapid hybrid speciation in Darwin’s finches
http://science.sciencemag.org/content/early/2017/11/20/science.aao4593
DOI: 10.1126/science.aao4593

ZME Science - Different species can emerge in only two generations, new study reveals
https://www.zmescience.com/science/news-science/new-species-birds-galapagos-23112017/

グラント夫妻(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%88%E5%A4%AB%E5%A6%BB

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