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【科学ニュース】プレートは35億年前から動き始めた

古代の頁岩中の2つのチタン同位体を解析した結果、地球の地殻の組成は過去35億年以上にわたり大きく変化していないことがわかった。これは、従来のほとんどのモデルよりも早い時期にプレートテクトニクス(プレートの移動)が始まっていたことを示唆する。

地質学では、大きく2種の岩石のクラスで地殻を区分している。海洋底を構成する苦鉄質岩は、高密度で色が濃く、マグネシウムや鉄などの鉱物を豊富に含む。大陸を構成する花崗岩などの珪長質岩は、密度が低く、ケイ素やアルミニウムを多く含む。

珪長質岩は、苦鉄質岩が溶けて再結晶化するときに形成されるが、これは主に地殻が重なり合う沈み込み帯で生じる。これまで、地殻のほとんどが苦鉄質だった約30億年前まで、プレートテクトニクスは始まっていないと考えられていた。

シカゴ大学のニコラス・グリーバー(Nicolas Greber)氏らは、地殻から風化で離れた粒子を含む頁岩堆積物の組成を調べた。珪長質岩は苦鉄質岩に比べ、チタン47に対するチタン49の含有割合が大きい。これは、高温のマグマから結晶化する鉱物にチタン47が優先的に取り込まれるため、結果として残る溶融物が最終的に結晶化した珪長質岩にはチタン49が多く含まれることによる。

研究チームは、世界各地から78種の頁岩サンプルを集めて分析した。最も古いのは、35億年前の岩石だった。「35億年前から、珪長質岩は地球に生じた地殻の主要割合で構成されていることがわかった」と、現在はジュネーブ大学を拠点とするグリーバー氏は述べる。「われわれの考えでは、沈み込み帯はこの珪長質岩の大半を生成するために必要だった」。

グリーバー氏らはこの結果を使って、岩石の風化で生じるさまざまな成分の可用性がどのように変化したかについても調べた。そして、35億~22億5000万年前にニッケルに富む岩石が減少したことが、海洋へのニッケルの投入を大幅に減少させたことを発見した。ニッケルは、微生物がメタンの生産に使用する酵素内の補助因子金属であり、ニッケルの減少はそうした微生物の減少につながったと考えられる。研究チームはまた、水塊へのリンの流入が増加したことが、潜在的に植物の成長を促進したと結論づけた。研究チームは、これらの要因が重なって、還元的だった地球大気が酸化的に変化した25億年前の大酸化イベントへの道が開かれたと示唆している。

「火成岩の分化に伴うチタン同位体の変化はまったく壮観と言え、地殻の平均(組成)の分化を説明するために堆積岩中のチタン同位体を使うのは素晴らしいアイデアだ」と、カリフォルニア大学サンディエゴ校の地球化学者ロバータ・ラドニック(Roberta Rudnick)氏は話す。ただし、ラドニック氏はデータのバラつき具合に問題を感じており、さらに風化の進んだ岩石に関するより詳細な研究によって、チタン同位体が経年の同位体分別の影響を受けないでいるのかどうかを確かめたいとしている。大酸化イベントについてラドニック氏は、最近の別の研究では、30億年前まで実際には主に苦鉄質の地殻が酸素濃度の上昇を抑制していたという“まったく逆”の見解が示されていると述べる。「これは決着した議論ではない」と話している。

【情報ソース】

Science - Titanium isotopic evidence for felsic crust and plate tectonics 3.5 billion years ago
http://science.sciencemag.org/content/357/6357/1271
doi: 10.1126/science.aan8086

University of Chicago - Study suggests tectonic plates began moving half a billion years earlier than thought
https://news.uchicago.edu/article/2017/09/21/study-suggests-tectonic-plates-began-moving-half-billion-years-earlier-thought

Live Science - Plate Tectonics May Have Begun a Billion Years After Earth's Birth
https://www.livescience.com/60478-plate-tectonics-gets-new-age.html

Chemistry World - Titanium analysis puts new date on Earth’s continental crust
https://www.chemistryworld.com/news/titanium-analysis-puts-new-date-on-earths-continental-crust-/3008034.article

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