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【科学ニュース】植物の葉の大きさは過熱と霜害のリスクで決まる

バナナの葉は、なぜモミやツゲの葉の何万倍も大きいのだろうか? なぜ熱帯雨林では、温帯の森林や砂漠に比べて総じて葉が大きくなるのだろうか?

オーストラリアを中心に、アメリカ、カナダ、イギリス、アルゼンチン、エストニア、スペイン、そして中国の17人の研究者からなる国際チームは、植物の葉の大きさがこれほど大幅に違う理由を突きとめた。

クイーンズランド大学生物科学科のポスドク研究員、エリザベス・ロウ(Elizabeth Law)博士によると、葉のサイズは熱帯の巨大なものから極に近づくと非常に小さくなるが、緯度によってサイズが変化する理由は1世紀以上前からある難問だった。

「教科書では、水の利用可能性と過熱度のバランスによるとされているが、それを支持するデータは見たことがなかった」とロウ氏は言う。

豪マッコーリー大学のイアン・ライト(Ian Wright)准教授が率いた今回の研究で、葉のサイズを決める主要因が、夜間の気温と葉が霜害を受けるリスクであるが明らかになった。

国際研究チームは、世界各地682カ所の7670種に及ぶ植物の葉を分析した。その解析データは新たな理論と結びつき、世界のどこでも昼間の過熱と夜間の凍結のリスクに基づいて葉の成長可能な最大サイズを予測する一連の方程式が生み出された。

研究チームはこの研究結果を利用して、より正確な植生モデルを作成しようとしている。これによって行政当局は、気候変動によって地域および地球全体の植生がどのように変化するのかを予測でき、それに応じて対策を計画できるだろうという。

ロウ氏は、生態系に関する新しい理論を構築するチームに加われたのはエキサイティングだったと話す。「パターンと変化を観察するだけでなく、なぜそうなるのかを実際に説明できる(ことがすばらしい)。これは、将来のより正確な予測に向けた第一歩だ」。

この研究は、Science誌最新号のカバーストーリーとして発表された。

【情報ソース】

Science - Global climatic drivers of leaf size
http://science.sciencemag.org/content/357/6354/917
DOI: 10.1126/science.aal4760

University of Queensland - Frost risk predicts leaf size worldwide
https://www.uq.edu.au/news/article/2017/08/frost-risk-predicts-leaf-size-worldwide

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