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【科学ニュース】水と油が混ざる!? 超高圧下で

水と油は混ざらない。誰も疑わない常識だが、一定の条件下では両者が混ざり合うことが明らかになった。

新しい研究によると、通常は水と混ざらない油性分子でも、水とともに高い圧力をかけると、水に溶け込むという。

エジンバラ大学の研究チームは、水とメタンを満たした小さな容器を、深海底や天王星などの惑星内部のような強い圧力下に置いた。

◆水と混ざらない物質

水とメタンを圧縮することによって、どのような化学的な相互作用が生じるのかを深く知ることができた。メタンは、水と混ざらない油などの、疎水性分子と呼ばれる物質の性質を調べる実験で用いられることが多い。

この新しい発見は、他の疎水性分子も同様な方法で水と混ぜることができる可能性を示している。研究結果は、Science Advances誌に発表された。

研究チームは、メタンと水の分子を超鋭利な2つのダイアモンド・アンビルの間にはさんで圧縮した。このダイアモンド・アンビルにより最大で、地球で最も深いマリアナ海溝底の水圧の20倍となる2GPa(2ギガパスカル=約1万9700気圧)を超える圧力が加えられた。

◆小さくなる分子

顕微鏡で見ると、メタンは油によく似て、通常の圧力の水中では、大きな液滴のように水と混じり合うことはない。しかし、高い圧力がかかるとこのような液滴が見られなくなり、メタンが溶解したことが示唆された。

研究チームはこれについて、メタン分子が圧力の増大によって縮小し、水分子はほとんど同じ大きさのままだったために起こったと考えている。縮小したメタン分子は、相対的に大きい水分子の間に入り込むようになり、両者が混ざり合うことが可能になったという。

◆有効な用途

水とメタンが混ざり合うときの特性を理解することは、工業界で使われている高価で危険な溶媒の代替となる手段の開発に寄与すると考えられる。また、深海底や太陽系外の環境について新たな知見をもたらす可能性もある。

「今回の興味深い発見により、疎水性の物質が深海底や惑星内部のような高圧下でどのように振る舞うかに新たな光が当てられた。これは、高価で環境に悪影響を与える溶媒の置き換えや、土星の衛星タイタンのような天体内部のモデル化など、広範囲の応用が可能になるだろう」と、研究を率いたエジンバラ大学究極環境科学センター(Centre for Science at Extreme Conditions)のジョン・ラブデイ(John Loveday)博士は述べている。

【情報ソース】

Science Advances - When immiscible becomes miscible -- Methane in water at high pressures
http://advances.sciencemag.org/content/3/8/e1700240

University of Edinburgh - Oil and water may mix under extreme pressure
http://www.ed.ac.uk/news/2017/oil-and-water-may-mix-under-extreme-pressure

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